こみねゆらさんの絵本原画展
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雑誌「詩とメルヘン」でsokoさんの歌集『シチュー鍋の天使』が
特集されたとき、挿し絵を描いてくださったのが、こみねゆらさんです。
そのゆらさんの絵本原画展が、えほんミュージアム清里で
2006年10月4日(水)〜2007年1月14日(月)まで開催されるというニュースを、
うちのHPのbbsで、ゆらさんご自身に教えていただきました!
ゆらさんのデビューからこれまでの絵本の原画80点と、
ゆらさん独特の手作りのお人形やぬいぐるみ、
『仏蘭西おもちゃ箱』のおもちゃも展示されるとのこと。
そしてそして、その展示作品の中に、上記「詩とメルヘン」で
草子さんの短歌とコラボレーションした見開き3点の原画も
出展されるそうなのです!!
清里に連れていってもらえるなんて、素敵だね、sokoさん!
これは行かなくちゃ! と、ろくに一人で電車にも乗れない状態だったのに
一人で猛然と、出かけてしまいました〜。
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sokoさんのための旅についてきてもらうとしたら、
やっぱりムーミン。ムーミン柄のトートバッグに、
カメラやら上着やらお菓子も詰め込んで、出発です。
まずは新宿に出て、特急あずさで小淵沢まで。
(あずさは、小淵沢に止まらない場合も多いので要チェックです〜)
小淵沢から、JR小海線に乗り換えて、数駅で清里にたどりつきます。
小淵沢まで来ると、10月初旬だというのに、東京とはずいぶん気温の差があって、
慌てて、上着を着込みました。
小海線の扉が開くまでの間、しばし、ぶるぶる。
朝に家を出て、お昼を少し超えたところで、
無事に清里の駅につくことができました。
そこからは、周遊バスも出ていますが、
便が少ないのと、電車との乗り継ぎが悪いのが、残念。
車で5分という道のりだそうなので、タクシーを使いました。
そうしてたどりついたところが、
えほんミュージアム清里!
ペンションみたいな、素敵な入口&建物です。
開館10周年なんですって。
入館料のなかには、飲み物代も入っているのだそうです。
中を覗くと、1Fの一部がベランダまで続くカフェスペースになっていました。
これで、あとで休憩するときの、楽しみができました。
1Fと2Fの一部では、さまざまな、主に外国の絵本作家さんの
原画が展示されていました。
今は、「リサ&ガスパール」の新作絵本原画展が開催されており、
常設で、エロール・ル・カインの作品も多く拝見できました。
他にも『ぼくのともだちおつきさま』で著名なアンドレ・ダーハンの
ポスター(アンドレ・ダーハンの絵は、睡眠導入剤ドリエルの
CMのアニメーションの絵柄、と言ったほうが通じやすいでしょうか)、
ツヴェルガーの描いたアリスの絵なども売られていて、
ゆらさんの場所にたどりつく前に、すでに興奮状態です(笑)。
ゆらさんの原画展は、2Fで開催されていました。
復刊したばかりの、ゆらさんの繊細で緻密な筆致が美しい、
『空とぶじゅうたん』の挿し絵から始まって、
『シンデレラ』や『しらゆきひめ』などのお馴染みの童話の挿し絵、
雑誌「MOE」での江國香織さんとのコラボレーションがきっかけで
書籍化された『おさんぽ』、『すきまのおともだち』、
ゆらさんがご自身ですべて描かれた絵本『おばあさんのうちへ』、
新作『ちいさなおひっこし』の原画も!
そして何より素敵で可愛かったのが、ちびちび人形!
ゆらさんのHPや掲示板を拝見していて、とても小さいらしいことは
分かっていましたが、実物は・・・「こんなにちっちゃいんだー!」
と思わず声が出てしまいました。
「MOE」のアリス特集のときに作られたアリスと白兎の人形もありました。
『仏蘭西おもちゃ箱』からは、いくつものおもちゃの実物が展示され、
『12の月の贈り物』からもミニイラストが多数、
マッチ箱のラベルも、たくさん飾られていました。
そして、最後にとっておいた、
草子さんとのコラボレーションとなった挿し絵の原画2点を、
ゆっくり味わいました。
各々の絵の題名のところには、きちんと、これが
雑誌「詩とメルヘン」の特集として、
北川草子さんの歌集『シチュー鍋の天使』のために描かれた挿し絵、
であることが、いちばん上に小さく記されていました。
また、雑誌掲載時には、絵はすべて見開きいっぱいに使われており、
絵1点の上に、いくつもの短歌が乗せられていましたが、
今回は、その中から、きっとゆらさんが選んでくださったのであろう、
とっておきの、その絵におそらくいちばん近しい短歌が、
一首ずつタイトルとして添えられていました。
*
少女とうさぎとリスが野原を歩いている絵には、
「永遠のような野原でおみやげのグミ・キャンディの色をみている」
クリスマス・ツリーと少女が登場する絵には、
「灰色の空から雪が降ってくるいつまでも泣けるような気がする」
*
ゆらさんの細かなご配慮に、感謝。そして、感激をしました。
sokoさんがこの現場を観たら、本当に感激するに違いありません。
「ぅわーっ」っというsokoさんの声が聞こえてきそうでした。
清里の澄んだ空気の中で、きっと心から喜んでいるだろうな。
大きな声で自慢したいくらいに!
きっと嬉しいだろうな。
ゆらさんからお知らせをいただいて飛んで来ちゃったけど(笑)、
それだけ素敵な、これはもう、「事件」でした。
よかったね! sokoさん。
ゆらさんの会場を何度もめぐり、満足した心を抱えながら、
ことんことんと、階段を下りてきて、
広々としたカフェスペースで、腰を下ろしました。
私が座った大きなテーブルの上には、
ゆらさんの原画展のちらしが入った額が置いてあります。
さて、飲み物は何にしようかな?
いろいろ悩んだすえ、私がいただいたのは、
「ハーブコーディアル」という飲み物。
エルダーフラワーとレモンのエッセンスが入ったジュースだそうです。
うーん、美味しい! 身体にもよさそう。
飲み物を飲みかけにして、明るい光につられてベランダに出ると、
脇に、なんだかsokoさんが描きそうな風景が。
小さな庭、椅子、鳥かご、花・花・花。
目の前には、すがすがしい空気とお庭が広がっていました。
今度は入口にあるショップを覗くと、
ゆらさんの作品を、たくさん並べたコーナーが。
ここでは迷わず絵の緻密な美しさと、中東のおはなしの不思議さに惹かれた
『空とぶじゅうたん』T・Uをゲット!
他にもマリー・ホール・エッツの『もりのなか』のポストカードや、
酒井駒子さんの絵が入ったクリアファイルもゲット!
クリアファイルは2種類の絵柄があって、ひとつの絵が、
sokoさんを彷彿とさせるものだったので、それをsokoさんのために。
もうひとつの絵は、以前にちらしで見かけていて、
いいなあと思っていた絵だったので、それは私のために。
sokoさんのために、だなんて、
独りよがりな買い物! でも、いいんです。
あとはカフェスペースにいて、
タクシーを呼んでいただいた時間ぎりぎりまで、
くつろいでは、何度も、また2Fに上がって、
ゆらさんの作品で好きになった絵やお人形、
そしてsokoさんの短歌の挿画を観にゆき、
一人で頷いてから、また下に降りてくつろぎ・・・、
そんなことを繰り返して過ごしました。
タクシーに乗り込むときには、もう、悔いなし!
私をここに連れてきてくれた、ゆらさんとsokoさんに御礼を言って、
ミュージアムにさよならをしました。