S oko's Bookshelf                             珍しい大人天使
sokoさんがお好きだった本や所蔵していらした本を
(といっても本好きでいらしたので、たくさんあるのですが!)
を集めて載せていこうと思います。



お好きだった本を集めた本棚の下に、新たに、
「歌誌に掲載された数首ごとにつけられたタイトル」としてのお話たち
の探索を始めました! こちらです。


また、sokoさんがお好きだった本を覚えていらっしゃるかたは、ぜひ情報をお寄せくださいませ。
伝言フォームはこちらです。

書名からのリンクはすべてbk1へのものです。ささやかながら、
sokoさんがお好きだった本を、ご実家のsokoさんの本棚に集めるための助けとか、
になったらよいな、と思い、bk1さまのブリーダープログラムを
使わせていただいております。



no.
書名
著者その他
comment
1
トーベ・ヤンソン・コレクション7
『聴く女』
トーベ・ヤンソン著
冨原眞弓訳
筑摩書房/1998

 sokoさんはトーベ・ヤンソンという作家の作品だけでなく、その生き方にも心酔されておりポストムーミンといわれる大人のためのトーベの小説がこのコレクションで登場すると早速読み入り、その話題のときには珍しく熱を込めておられた。本作は今もsokoさんの本棚に残されているトーベ・ヤンソン・コレクションの1冊。
 コレクションの装丁は祖父江慎さん。各冊、色味や使われているイラストが異なっており表情が違っている。並べてみるのも楽しい。

2
トーベ・ヤンソン・コレクション5
『人形の家』
トーベ・ヤンソン著
冨原眞弓訳
筑摩書房/1997

 sokoさんの書籍化のお話で装丁家の方を探していたときに管理人が偶然に出会ったもの。表題作「人形の家」のお話は、妹さんのお一人に「同じタイトルでイプセンが書いているんだけれどね」というような話をされていたそうです。
3
『天使のみつけかた』
おーなり由子著
大和書房/1992

 おーなりさんが漫画家の頃から、sokoさんはおーなりさんファンだったようですが、この本はそれとは別に、特に大事にされていたよう。中身を読んだら、その理由が余りにもよく分かって。「こういうかたがsokoさんと一緒の世界に生きていてよかったね」と直接、言いたかった。このサイトのnewsのページにも載せてあるような天使(サイン代わりに使っていたのは身体のない単純なバージョンでしたが)を、1990年代半ば頃から描かれていて、天使には親しみのあるsokoさん。それは多分今も変わらないと思います。新潮文庫で出た版は、大切なご友人にプレゼントされていました。
4
『作家』
M.B.ゴフスタイン著
谷川俊太郎訳
ジー・シー/2000

 「彼女は庭師、/だが土地も、/そこにどんな種子が/根を下ろすかも/さだかではない。」(本文より) 以前掲示板にも書かせていただきましたが、この部分は、私の中の、sokoさんが何かを書かれる姿にだぶります。ご友人にもこの本の話をなさっていて、ゴフスタインにはこの本と対になっている『画家』という絵本もあるのですが、sokoさんは「私は『作家』が好き」、そのかたは『画家』が好き、と言い合ったのだ、というエピソードをいただきました。
5
リンドグレーン作品集 別巻4
『親指こぞうニルス・カールソン』
リンドグレーン著
大塚勇三訳
岩波書店/1980

 人形やこびとなどの異界の住人たちがあんまり不思議じゃなく登場して、一緒にお喋りしてくれる短編集。国際子ども図書館で観た「不思議の国の仲間たち」展の、寓話のカテゴリー分けの中に「小さ子譚」というのがあり、「親指姫」「一寸法師」「親指トム」など各国に伝承が見られると書かれてあったのだけれど、これもそのひとつになるのでしょうね。リンドグレーンの代表作『長くつ下のピッピ』は、sokoさんの本棚ではスウェーデン語版を見つけました。北欧に旅行に行かれたときに手に入れたのかな。
6
トーベ・ヤンソン・コレクション7
『フェアプレイ』
トーベ・ヤンソン著
冨原眞弓訳
筑摩書房/1997

 「創作的気分のときに」というのがsokoさんのこの本へのお勧めの言葉でした。登場する二人の初老の女性のモデルは、ヤンソンとトゥーリキのようです。「この「フェアプレイ」で描かれた芸術家らしい2人の女性の交流がとてもわたしには「いいもの」に思えたものですが…きっとトーベとトゥーリキの友情がそうだったのでしょう…とにかくトゥーリキの人形たちはすてきでした.」と1999年末の北欧旅行から戻られたあとの高山さんへのお手紙にも記されています(ちなみにこのお手紙に描いてあったのが上にある「珍しい大人天使」なんですよ)。
7
『クローディアの秘密』
E.L.カニグズバーグ著
松永ふみ子訳
岩波少年文庫/2000

 sokoさんの本棚にあったのは旧版です。家出と、天使と、秘密のお話です。わぁ、またまた天使。メトロポリタン美術館も多いに関係あり! みんなのうたで流れていた大貫妙子さんの「メトロポリタン美術館」(アルバム「Comin' Soon」収録<他に「テディ・ベア」「Alice」「MOMO」「地下鉄のザジ」といったsokoさんにもお馴染みのタイトルの曲も入っています! その他ベストアルバム「大貫妙子 History 1978-1984」にも収録)、sokoさんは見たことあったかしら。天使とかミイラとか棺桶とかと一緒にクローディアが踊っているんです。あ! ネットの中でも聴けるんだー。こちら! 『クローディアの秘密』は「クローディアと貴婦人」というタイトルにてイングリッド・バーグマン主演で映画化もされているそうです(ただし日本で見るのは難しそう)。情報提供してくださった皆さま、ありがとうございます。
8
『いじわるな天使から聞いた不思議な話』
穂村弘著
大和書房/1994

 sokoさんの短歌のよき先輩・穂村弘さんがお書きになられた、小さなお話集。童話集、と言いたいところですが、それには素敵すぎるかな、と思って。sokoさんが「絶対気に入ると思う」って勧めてくれた本、その通り、気に入って、今でも大事に持っています。現在重版未定の品切れ状態とのこと。「復刊ドットコム」にて復刊希望が出されています。こちらです。sokoさんの「お砂糖はいくつになさいます?」を聞くたんびに、この本の、角砂糖の中を移動するユニコーンのお話を思い出していました。


 


【歌誌に掲載された数首ごとにつけられたタイトルとしてのお話たち】

sokoさんは、北川草子の名前で短歌を作っていらっしゃいました。
のちに歌集『シチュー鍋の天使』に収められることになった数多くの短歌を、
参加者の皆さまと同じように、数首ずつ投稿されていました。

その数首は連作として、全体でひとつのタイトルがつけられるのが通例とのことで、
草子さんもつけていたのですが、そのタイトルのいくつかは明らかに彼女が好きだった、もしくは
インスパイアされたお話たち(多くが童話です)からとられたものだということが分かりました。
それで、この本棚のページに、そのお話の名前たちを仲間入りさせることにいたしました。

必ずしもお話のタイトルでないものもあると思われまし、歌の中を探せばもっとあるのですが、
とりあえず最初は急いで、タイトルのみ、学生時代からのものをすべて(無題は除く)
各号のものと、憶測の元に該当させることができた書籍名・作者名と簡単なメモを列記してみます。

皆さんが親しまれているお話の名前は、混じっていますでしょうか!
えー、これはこっちじゃないかなあとか、こういうエピソードも関わっているのでは、
などなどお感じになられたことがありましたら、こちらへお寄せくださいませー。

(植松さん、こういうきっかけを、加えて以前には当時のかばんをお送りいただき、ありがとうございます。
また、当探索については、歌集『シチュー鍋の天使』及び、歌集に寄せられた井辻朱美さんの解説も
大きな手がかりとさせていただいています)

 
掲載号
タイトル
著者その他
comment
早稲田短歌
11〜17号


雪と東西線

最終恋歌 四季





J.C.の夜


友など


季節など


かばん
1994年
歌八首



人魚


夏の空


前髪


心音


グリーン




Hさんより、グリム童話の「月」ではないか、というメッセージいただきました。特定難しいですが、仰られている「月」のお話は、世界をこしらえるときに夜のあかりがたりなくなってしまった国の4人の若者が旅に出て、月を見つけて持ち帰る、というところから始まります。筑摩書房から出ている『完訳グリム童話集7』に収録されているほか、こんな絵本も。
休日


かばん
1995年
友だちの恋人
sokoさんはフランス映画がお好きでした。エリック・ロメール監督の「レネットとミラベル/4つの冒険」のパンフレットを本棚にお持ちでしたから(あるいは気づいてみると手紙にもロメールのことがちらほら書いてありますから)、これもおそらくロメールの同タイトルの映画からのもらいものではないでしょうか。
ガラスの器

あかるい椅子


浴室
ジャン・フィリップ・トゥーサン
野崎歓訳
集英社文庫

同じ作家の『ムッシュー』を本棚にお持ちだったので、そうかな、と推測デス。
夏の約束


ヒナギク
アンデルセン
大畑末吉訳
岩波少年文庫

「アンデルセンの「ヒナギク」ではないでしょうか?」(Hさん)。岩波少年文庫で「ヒナギク」を含んでいる短編集が見つかりましたので、リンクかけておきます。大畑末吉さんは、『絵のない絵本』や『即興詩人』も訳されているアンデルセンとは縁の深いかたですね。
寒がりの鳥


チェンジリング


花びらの箱

新人特集号のタイトルとのこと
かばん
1996年
寒暖計

ミキサー

局留


日々の泡
ボリス・ヴィアン
曾根元吉訳
新潮文庫

新潮文庫のPandaがYonda?広告シリーズがお好きだったsokoさん、この本もその一環かしら。
さよなら日曜日


キッシュ


水滴


朝と夜


かばん
1997年
ステップ
北村薫さん、じゃあない、です、よね、、、。
窓の下で ケイト・グリーナウェイ
しらいかずこ訳
ほるぷ出版

現在絶版のよう。絵本作家グリーナウェイはお好きだったようなので、多分、そうじゃないかしらと思います。代表作は『ハーメルンの笛吹き』。
夜の鳥
トールモー・ハウゲン
山口卓文訳
福武書店/旺文社

両出版社のものともいずれも現在絶版のよう。ハウゲンの作品で最も有名なのは『少年ヨアキム』でしょうか。でもこれも手に入らなさそうです。
ローズ・マリー・ローズ

これはちょっと自信はありませんが、『ローズメリーローズ』(マリー・ルドネ/集英社)という本がかかわっているのかな、と。マリー・ルドネの話を聞いた覚えが。。。
夜の樹
トルーマン・カポーティ
川本三郎訳
新潮文庫

……でしょうか。。。
ムギと王さま
エリナー・ファージョン
石井桃子訳
岩波少年文庫

草子さんも本棚にお持ちだった本(正確には以前の岩波少年文庫版ですが、新装されました)。お好きだった作家の一人、ファージョンの代表作とも言える短編集です。
ピカピカ
たばたせいいち作
偕成社

Hさんから、「こちらの絵本ではないでしょうか」と、リンクに置いた本をこちらの素敵な絵本サイトからご紹介いただきました。どうでしょう。ともあれ、ピカピカとか、チカチカとか、sokoさんはそういう言葉がお好きでした(笑)。
西風のくれた鍵
アリソン・アトリー
石井桃子・中川李枝子訳
岩波少年文庫

アトリーは1884年生まれのイギリスの作家。今出ているのは新版です。同じくアトリーの『くつなおしの店』(福音館)では、「詩とメルヘン」で草子さんの歌に絵をつけてくださったこみねゆらさんが挿画をなさっていますよ。
かばん
1998年
ウィンター・グリーン

ハル
掲載された3首にはいずれも春が詠ってあり、その「春」でもあるに違いありませんが、「ハル」は想子さんがお書きになられていたお話の大事な登場人物の一人の名前でもあります。「ハル」というそのものずばりのタイトルのついたお話もあり、未発表のものも含めて2つの違うお話に、想子さんは「ハル」の名前を使いました。このお話にはまだ続きがあるのですが、それはまた、時がきたときに。
春の夜


星のひとみ
ザカリアス・トペリウス
渡部翠訳
箕田美子絵
集英社

フィンランドの童話作家だそうです!
ぐるぐる


夏にはきっと
トールモー・ハウゲン
木村由利子訳
浜田洋子絵
文研出版

タイトル正式には『夏にはーきっと』。現在絶版のよう。
リリー・リリー・ローズ
サージェント・ジョン・シンガー
こちらは画家。98年に東京都立美術館で開催されたテートギャラリー展の出店作品のひとつに「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」という作品が出ていたそうです。この絵は、イーブ・ガーネットという作家の『ふくろ小路一番地』(岩波書店・石井桃子訳・現在絶版?)という児童文学にも出てくるそうで、草子さんはどちらでご覧になったのでしょうね。
氷の花束
アリソン・アトリー
正式な書籍名としては『氷の花たば』(岩波少年文庫)。現在絶版。
ゆきしろ ばらべに
グリム兄弟
『グリム童話集3』に「雪白ちゃんとバラ紅ちゃん」というタイトルで収録されているほか、読める本はたくさんあるようです。
灯台へ
ヴァージニア・ウルフ
みすず書房や新潮文庫で出ているようですが、見つからず。ウルフの作品は、短編集や『オーランドー』を本棚にお持ちでした。
かばん
1999年
ヴィレット シャーロット・ブロンテ
青山誠子訳
みすず書房

上下巻。
雲のはて K.M.ペイトン
掛川恭子訳
岩波少年文庫

現在絶版。「フランバーズ屋敷の人びと」シリーズの2巻目。
飛ぶ教室
エーリヒ・ケストナー
高橋健二訳
偕成社文庫

タイトルだけなら聞いたことがある、図書館で見かけたという人も多いだろう。児童文学の代表作のひとつ。
ヒナギクの鎖
シャーロット・マリー・ヤング
ヤングはイギリス19世紀の児童文学作家。原題は「The Daisy Chain」。『ヒナギクの花輪』というタイトルに訳されていることもあるらしい。コンピュータ用語にもあるらしく、職場で聞いたこともあったのかもしれない。邦訳情報があれば教えてくださいませ。




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